建設業の担い手確保について【令和3年9月定例会】環境建設委員会 [ 土木部 ]

 昨今、気候変動の影響により災害は激甚化、頻発化しおり、その被害も大きく深刻な問題になっている。その度に、地元の建設業界の皆様が懸命に復旧作業されており、ありがたいと感謝している。

一方、国内の建設技能労働者は約320万人いるが、高齢化が進み、近い将来大量に離職される見込みであり、それを補う若手の入職者数が必ずしも十分とは言えない状況にある。

担い手確保育成については各企業、様々に処遇改善や働き方改革等々を行っている。また、人口減少する中、より質の高い人材を育成するように、例えば学生のインターン制度を活用し仕事を知ってもらうとか、入職前に資格を取るための支援もあるということで、色々な機関が色々な立場で努力をされているということが現状ではなかろうかと思っている。

そういった中で、建設業に関わるある女性が、学生時代に、医学部と土木工学を受験することに悩まれ、彼女は結局、医学部では限られた人数しか救えないが、土木は限りなく大勢の人数を救えるかもしれないと、土木の道を選んだというエピソードを耳にしたことがある。

このエピソードを聞いて、これは、まさしくアフガニスタンで銃撃にあった中村医師が病気の背景には、食糧不足と栄養失調があり、100の診療所を作るよりも一本の用水路が抜本的な解決なのではないかということで尽力されたことに通じると思う。工事に関わった人たちは、技術の習得もできるし、ノウハウも地域に息づいていく。また用水路の下流には村を作り、次の世代に対しての取組みをされたということで本当に素晴らしいと思っている。

インフラの整備ということが、命を救うということを、若い世代の人たちが理解し、実感する前に職を離れていく方が多いという建設業の問題点も含め、世の中にとって必要ということも知ってもらうために、入職前に体験も含め、この業界の情報を知っていいただくことが大切と考えている。

そういったことも踏まえ、県では、建設業担い手確保育成のために、様々な取組みを行っていると思うが、どのような取組みを行っているのか伺う。


副委員長御指摘のとおり、本県においても建設業における労働者の高齢化や若年労働者の不足が進んでおり、将来にわたる社会資本の整備や維持管理、防災・減災対策などに支障が生じることが懸念されることから、県では、学識経験者、建設産業団体、教育・職業訓練機関、行政機関で構成する「香川県建設産業人材確保・育成検討会」において、平成28年3月に取りまとめた「建設産業における人材の確保・育成に向けた取組指針」に基づき、平成28年度から「建設業担い手確保・育成事業」を実施してきた。

昨年、「取組指針」策定から4年が経過したことから、改めて「香川県建設産業人材確保・育成検討会」を設置し、これまでの取組状況等の検証を行うとともに「取組指針」の見直しについて御議論いただき、昨年12月に「取組指針」を改訂したところであり、今年度からは、これまで実施してきた「建設業担い手確保・育成事業」を見直し、新たに「魅力ある建設業推進事業」として様々な取組みを実施している。

具体的には、まず、これまでの取組み同様、若い世代に建設業の魅力を伝え、将来の担い手を確保するため、建設業の魅力を伝えるパンフレットを作成し、将来の進路選択を具体的に考え始める時期にある中学2年生を対象に配付するとともに、高校生を対象とした建設工事現場等の体験会や建設業に勤務する若手技術者との意見交換会を開催している。

また、若年技術者とともに女性技術者の育成も重要であることから、技術者として優良な施工を行った若年技術者や女性技術者を表彰するととともに、県内の建設業に勤務する女性技術者をパンフレットで紹介する等し、女性が活躍する姿を発信することなどにより建設業における女性活躍の促進に努めている。

さらに、県内建設事業者の担い手の確保・育成を目的として、これまで、人材育成の対象となる従業員の賃金の一部や、県内の公共職業能力開発施設を活用した職業訓練経費等を支援してきたが、補助メニューが限定されていたことから、改めて事業者のニーズもお聞きし、今年度から補助対象の拡充を行ったところである。

具体的には「担い手の確保」の取組みとして、

・求人情報誌への掲載や会社説明会への出展等の求人活動に要する経費

・セミナーの受講等による採用担当者の資質向上に要する経費

・ホームページでの会社情報や採用情報などの情報発信に必要な経費

などを新たに対象とし、

「担い手の育成」の取組みとして、

・社内教育の実施や能力開発セミナー等の受講による人材育成に要する経費

・建設業で必要とされる資格の取得に要する経費

などについて、対象を拡充し、1事業者あたり20万円を上限とし、それらの費用の一部を助成することとしたところである。

さらに、本県では、生産性の向上を図り、担い手不足の一助となるよう、ICT活用工事の試行を行っている状況である中、今年度の新たな取組みとして、ICT機器を購入し、ICT活用工事に取り組む事業者に対して、1事業者あたり100万円を上限として機器購入に要する費用の一部を助成することとしたところである。

これら支援制度については、建設業の許可を有する全ての県内建設事業者約4,000者に対し周知用チラシを郵送するとともに、県ホームページにも掲載し、広く周知を図ってきたところであり、今後とも、制度の広報に努めながら、県内建設事業者の人材確保・育成に取り組んでまいりたい。



 今、答弁があったとおり、建設業における人材の確保・育成に向け、県では、将来の担い手である学生等を対象にした支援や、建設事業者自らが行う人材確保・育成への取組みに対する支援といった2つの側面からの支援を行っていることなどが分かった。

一方、今年度から建設事業者が行う人材確保・育成事業への取組みについて補助対象を拡充したとのことだが、その実績はどうなっているのか。また、新たに支援を始めた、ICT活用工事に取り組む事業者に対する機器導入経費の助成実績について伺う


今年度の補助制度の利用実績について、まず「担い手の確保」の取組みについては、

・求人情報誌への掲載や会社説明会への出展等の求人活動を行う事業者4社に対し697千円

・ホームページでの会社情報や採用情報などの情報発信を行う事業者11社に対し1,637千円

次に「担い手の育成」の取組みについては、

・社内教育の実施や能力開発セミナー等の受講による人材育成を行った5社19名に対し429千円

・建設業で必要とされる資格の取得を行った9社30名に対し665千円

の交付決定を行ったところであり、これらの合計で、予算額4,000千円のうち3,428千円、予算に対し86%の交付決定額となっている。

また、ICT機器を購入し、ICT活用工事に取り組む事業者への補助制度の利用実績については、15社から補助金の交付申請があり、事業の有効性、独自性、波及性等の観点から審査を行い、6社を補助事業者として決定したところであり、予算額を全額交付決定したところである。

県としては、関係機関と適宜、意見交換を行うなど、引き続き建設事業者などのニーズをしっかりと把握しつつ、これらの事業を積極的に実施し、魅力ある建設業の推進に努めてまいりたい。


 この仕事がこの世の中に大切なものであるということを、多くの人は知っていると思うが、まだまだ若い世代は、繋がるところの部分が少ない。中学校2年生からこういったことを伝えているということで、少しでも、若い人たちに入ってもらって、何年間か修行期間はあるかと思うが、その先に、必ず自分がこの仕事で命を救えるんだとか、自分の仕事をする甲斐があるということを、事前の段階で伝えることも必要でないかと思っている。

引き続き建設業者のニーズなどをしっかりと把握しつつ、支援内容の見直しを不断に行うなど、建設業に携わる方々の誇りと意欲が高まるよう、建設業への人材の確保育成にしっかりと取り組んでいただくことを要望したい。

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