ため池の転落事故防止対策及び水難事故防止に向けた学校の安全教育について【令和3年9月】本会議一般質問

 まずは、農業従事者の高齢化や減少が進行する中、ため池を管理する農家の皆様方におかれましては、きめ細やかな配水管理をはじめ、ため池のり面の草刈りや大雨時の見回りなど、ため池の維持管理に多大な労力を費やしておられることに心から敬意を表します。

 さて、本県は、御承知のとおり、ため池の総数は全国三位、県土の総面積に対するため池の密度では全国一位であり、左はため池、右は谷といった細い道を生活道とし、常に危険と隣り合わせの世帯は数え切れずあります。

 このような中、本年五月、釣りをするため、ため池を訪れていた小学一年生の男の子とその父親が誤ってため池に落ち、溺れて亡くなるという非常に悲しい事故がありました。さきの六月定例会においても、土地改良区等と連携しながらフェンスや看板などの安全施設整備に取り組んでまいりたいといった答弁がなされました。

 しかしながら、このような事故が起こるたび、そのときは反省をすれども、時とともに忘れ去られ、さびた看板をまた新しく立て直す作業をただ繰り返すだけになるのではないかということを懸念しているところです。

 ため池がなぜ必要なのかという子供の頃からの歴史教育と同時に、三陸地方に伝わる地震が起きたら各自がてんでばらばらに逃げなさいといった意味の津波てんでんこや命てんでんこのような言い習わしが命を救ったように、落ちたときには浮いて待てや、そもそも池に入ったり釣りをしてはいけないなど、危険性や、もしものときの対応など徹底した教えが必要であると考えます。

 また、全てのため池には難しいですが、もし転落してもはい上がれる安全ネットやロープつきの浮き輪などを設置することで救える命があるかもしれません。ないよりはあったほうがいい、しないよりはしたほうがいいという考えですが、それは、ため池が密集している本県だからこそ、様々な角度から検証・検討していくことは大切であると考えます。

 看板については、子供の登下校や散歩途中など、皆さんのふだん何げない生活の中で目に入り、話題の一つになってくれるように、さらに農業用ため池には入ってはいけないという周知とともに、もし誤って転落してしまった人を見かけた場合には、どう行動すればいいか、救急連絡先など命を守る方法も含めた内容を記載していくことも重要と考えます。

 しかしながら、さきにも申しましたように、農業従事者の高齢化や減少が深刻化する中、ため池を維持管理している農家の皆様方の労力や経費の問題や、そもそも管理者のいない小さな池の対応など、抜本的な解決を探ろうとすると、様々な思いや考えが頭をよぎり、課題が尽きることはありません。

 そこで、本県はため池密度が全国一であり、農業用水の恩恵とともに転落の危険性については他県に比べて高いと考えられることから、ため池の転落防止対策に積極的に取り組む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、冒頭でも申しましたように、ため池における安全対策が重要であることは言うまでもありませんが、一方で、避けられない何らかの理由などで不幸にもため池などに転落するような事態に陥ってしまうことも考えられ、そうした際に、自らの身を守る手段などを学習しておくことも必要です。

 先ほど、本年五月のため池への転落事故に触れましたが、水に関する事故はそれだけではありません。全国の小学校で水泳の授業が必修となり、プールが設置される契機になったと言われる一九五五年の紫雲丸事故では、不幸にも多くの児童が亡くなりました。記憶に新しいところでは、昨年十一月に坂出市立川津小学校の修学旅行で、児童らを乗せた旅客船の海難事故がありました。このときには、児童、教職員全員が無事救出されており、前年の水泳学習の際に着衣泳を経験していたことや、集団宿泊学習でのいかだ体験時にライフジャケットの着用を経験していたことが、落ち着いた行動につながったと伺っております。

 また、私の地元でもある綾川町では、小学校において着衣泳の講習会を開催しており、水難事故から身を守る安全教育に取り組んでいます。

 海や川、池での活動を行うことは、日常的にもよくあることです。小学生のうちから、水難事故の怖さや水難事故から身を守るための手段などを学習し、講習会等で人はどこから沈んでいくのかなど、できるだけ多くの知識を得て体験しておくことが大切と考えます。

 そこで、コロナ禍において、水泳の授業も通常どおりにはやりにくい環境の中ではありますが、水難事故防止に向けた小学校の安全教育の促進にどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。


 近年、ため池や用水路等への転落事故が相次いで発生していることから、県では、昨年度、各市町等と連携し、用水路等転落事故防止対策検討委員会を設置し、本年三月に対策の方向性を示す香川県用水路等転落事故防止対策ガイドラインを策定したところであります。

 現在、ガイドラインに基づき、土地改良区等の施設管理者が、転落の危険性の高い池や、釣りなどで多くの人が訪れる池の現地調査を行っており、今後、調査結果やため池周辺の状況も踏まえ、各施設管理者と連携して安全対策に係る実施計画を策定し、優先度の高いものから、フェンスや看板などの安全施設の整備に取り組んでまいります。

 また、転落後の人命救助対策につきましては、県営ため池整備等において実施している突起型ブロックの階段状の施工に加え、今後、救助ネットや浮き輪の設置など、効果的な対策手法を施設管理者とともに検証してまいりたいと考えております。

 特に、事故防止のための看板につきましては、防災重点農業用ため池への設置費用が今年度から国の補助制度に追加されたことから、各市町において約六百六十か所のため池で設置する予定としており、設置に当たっては、議員御指摘の未然防止や救助対策の観点を踏まえ、より効果的な啓発となるよう工夫をしてまいります。

 さらに、小学生が、ため池の歴史や水の大切さを学ぶため池出前授業や香川用水資料館の団体見学において、ため池の安全教育を実施しているところであり、今後とも機会を捉えて、ため池の危険性や水難事故防止に向けた啓発に取り組んでまいりたいと考えております。

 私といたしましては、今後とも各施設管理者と連携しながら、ため池の転落事故の防止対策に積極的に取り組んでまいります。

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