農作業安全運動について【令和3年9月】本会議 一般質問

農作業安全運動についてです。

 先月、私の地元、綾川町山田上の山口 守さんの献穀田において、新嘗祭に献納するお米の抜穂式が執り行われました。新嘗祭は、宮中恒例祭典の中で最も重要なもので、毎年十一月二十三日に行われます。天皇陛下が新穀を皇祖はじめ神々にお供えになって神恩を感謝された後、陛下自らもお召し上がりになる祭典です。

 お供えする穀物は全国から献納された米と粟で、香川県からは米を納めており、今年は綾川町の山口 守さんが献穀者として選ばれました。五月には播種式、田植式、そして先月十二日抜穂式が執り行われ、私も黄金色に実ったあきさかりの稲を刈らせていただきました。知事におかれましても、田植式、抜穂式に御臨席を賜っております。

 一本の稲穂には、品種にもよりますが、大体八十から百粒の実がつき、その一粒一粒に数千年の歴史と脈々と受け継がれてきた稲作文化の手法が詰まっているんだよと地元の方が教えてくださいます。

 米作りといっても、その先には、この国の保全はもちろん、水資源の涵養、自然環境や美しい景観の形成、伝統文化や食文化の継承など、私たちの暮らしや環境を守る上で欠かせない役割が多くあります。私たちは、それをまた次の世代に伝えていく責任があるのだと改めて思うところであります。

 今年も稲刈りのシーズンになりました。この時期になると、私の周りも騒がしくなります。九月一日から十月三十一日までの二か月間、「見直そう!農作業機械の安全対策」をテーマに、自治体、JA、農機メーカーなど八百二十の団体が参加し、秋の農作業安全運動が行われています。

 農業新聞によりますと、毎年三百人が農作業中の事故で命を落としており、十万人当たりの死者は建設業の三倍に達し、過去最悪の水準となっているようです。また、死者の九割近くが六十五歳以上であり、乗用型トラクター事故が三割と最も高く、転倒や転落が七割を占めています。

 一方、本県における農作業中の死亡事故件数は、平成二十七年から令和元年の五年間で十四件発生しており、このうち農業機械によるものは七件で、全てトラクターによる死亡事故となっており、年齢階層別では七十歳代が四名、八十歳代が三名と、全てが高齢者と伺っております。

 先日、私の身近なところでも、高齢者の方が草刈りをしていた際に、誤って機械と接触し、けがをする事故がありました。幸い、複数人で作業をしていたのですぐに対応ができましたが、よく一人で作業をしている方を見かけることもあります。特に、田舎に行くほど緊急事態に気づかれないことも多く、草刈り機も作動していることを忘れ、触れてしまうこともあると伺いました。やはり、日頃から農業者が当事者意識を持ち、いつ何が起こるか分からない、命を守るのは自分自身だと安全対策をしていただけるように、行政としても啓発活動は非常に大切であると考えます。

 加えて、本来あってはいけませんが、もし何かあったときのためにも、保険加入の促進は必要かと思います。

 そのような中、農水省は全国の農業者が農作業安全研修を受講することができる体制の構築に向けて、二〇二二年度からの活動開始を目指し、研修の講師などを務める農作業安全指導員を全国で約二千五百人育成する方針を明らかにしました。

 農業現場が長らく改善されてこなかったのは、家族経営の農家も多く、事故が個人責任にされてきた背景があると言われています。農業法人化が増え、企業が農業に携わり、女性の農業者も注目されている現在において、基本となる安全管理対策をいま一度考える必要があると考えます。

 そこで、本県の農業安全管理対策の取組と、今後の周知啓発をどのように進めるのか、お伺いをいたします。



 農業者の高齢化等に伴い、農作業中の事故が増加する中、農作業安全対策の強化は重要な課題であると認識しております。

 このため、県では、農作業事故の防止に向けて、毎年、春と秋に実施する全国一斉の農作業安全確認運動に合わせ、各市町等と連携し、農業者へ啓発資材を配布するとともに、高齢者の多い集落営農組織に対する安全講習会のほか、農業経験の少ない新規就農者や女性農業者を対象とした農業機械の安全使用に関するセミナーを開催するなど、農作業の安全意識の高揚に努めております。

 また、農業生産工程管理いわゆるGAPにつきましては、農産物の食品としての安全性だけでなく、農業者の作業工程上の労働安全を確保する観点からも有効な取組であることから、GAPの認証取得に意欲のある農業法人等に対し、具体的な取組のポイントや手順などについて助言を行う専門コンサルタントを派遣しているところであります。

 さらに、地域の実態に即した総合的な安全対策を推進するため、昨年六月、県とJA香川県などの関係団体で設立した香川県農作業安全推進協議会において、農作業安全に関する知識を習得するセミナーや、農業大学校の専用コースでの乗用型トラクターを活用した技能講習を実施しております。

 こうした取組に加え、今後は国と連携して、議員御指摘の農作業安全指導員を活用した農業者への研修を進めるとともに、不測の農作業事故に備え、療養・休業給付等を受けることができる労働者災害補償保険についても、機会を捉えて、広く農業者に周知してまいりたいと考えております。

 県といたしましては、今後とも各市町や関係団体と連携しながら、農作業事故の防止に向けた安全対策の推進に積極的に取り組んでまいります。

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