建築物の耐震化の状況について【令和3年6月定例会】環境建設委員会[土木部]

 建築物の耐震化の状況についてお伺いします。

 平成28年4月の熊本地震や同年10月の鳥取中部地震、平成30年6月の大阪府北部地震などの大規模地震による甚大な被害は記憶に新しいところでございまして、旧耐震基準により建築された住宅や建物、建築物の耐震対策の必要性が再認識されたところであります。

 南海トラフを震源とする大規模な地震の発生が懸念される中、県では住宅をはじめ、建築物の耐震化の促進に取り組んでいると思いますが、まず耐震化がどの程度進んでいるのか、現状についてお伺いします。


 南海トラフを震源とする大規模な地震が発生した場合には、平成28年4月に発生した熊本地震を超える甚大な人的、物的被害が発生することが想定されており、住宅をはじめ、建築物の耐震化は喫緊の課題であります。

 国では、平成18年1月に耐震改修促進法を改正し、建築物の耐震化を総合的、計画的に進めるため、都道府県に対して耐震改修促進計画の策定を義務づけたことから、本県でも国の基本方針に沿って平成18年度から平成27年度を計画期間とする、香川県耐震改修促進計画を平成19年3月に策定し、住宅はもとより防災拠点施設のある庁舎、警察署、避難者の収容施設となる学校体育館、救護施設のある病院、ホテル、旅館、物販店などの多数の者が利用する建築物を対象に、耐震化の目標を定め、また、平成28年12月に策定した第2次計画では、平成28年度から令和2年度を計画期間としており、令和2年度末の耐震化率の目標値として、住宅の耐震化率は90%、多数の者が利用する建築物の耐震化率は95%を掲げ、住宅をはじめ建築物の耐震化の促進に努めてまいりました。

 さらに、住宅については、住宅政策の基本方針を示す香川県住生活基本計画におきまして、住宅ストックの質の向上という観点で、目標に掲げた耐震化率を達成するため、耐震補助の実施件数を数値目標に定めております。

 県では、これまで広く県民の皆様に耐震化の重要性を認識していただくために、周知啓発用のリーフレットの配布、講習会、セミナーの実施や、多数の者が利用する建築物の所有者に対しては、耐震対策を講じるよう直接働きかけますとともに、民間の住宅や建築物の耐震対策へ補助する市町に対して支援を行うなど、耐震化の促進に努めてきているところでございます。

 その結果、本県の直近の耐震化率は、住宅については令和2年度に公表した平成30年時点の耐震化率は82%、多数の者が利用する建築物については、令和2年度末で93.5%となっており、前回の平成27年度末の耐震化率と比べ、それぞれ6ポイントと5ポイント上昇はしているものの、いずれも耐震化率の目標に達していない状況であります。

 また、香川県住生活基本計画において、目標値を定めている耐震補助等の実施件数については、平成28年度から令和2年度までの5年間で、耐震補助が目標である年間平均500件に対して308件、耐震改修が目標である年間平均200件に対して137件と、双方とも目標に届いていない状況でございます。県としては、住宅、建築物の耐震化は喫緊の課題でありますことから、引き続き市町などと連携して住宅、建築物の耐震化の促進に取り組んでまいりたいと考えております。



 お伺いしておりますと、目標の耐震化率や目標とする補助件数を下回っている状況であるということでした。では、県はその理由をどのように分析しているのかお伺いしたいのと、また、先ほど答弁で、耐震改修促進計画と住生活基本計画についての言及がございましたが、それぞれの計画について、今後、耐震化の目標についてどのように設定しようと考えているのか、お伺いします。

 まず、目標を達成できなかった理由としては様々考えられますが、住宅については、耐震化が必要な住宅は昭和56年5月以前に建築されたものであり、所有者の多くは高齢化しており、耐震改修など将来への投資には消極的であること、また、改修工事に要する費用が高額で、補助金にも限度額もあることから、改修の内容によっては自己負担が増え、その費用を負担できないことなどが考えられます。

 一方、多数の者が利用する建築物については、昨今の経済情勢等から事業収益が悪化しており、設備投資をする余裕がないこと、また、改修工事の内容等によっては、工事中に建物が使用できなくなり、営業ができない場合があることなどが考えられます。とりわけ昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響がいつまで続くのか先行きが見えず、工事に踏み切れないといった意見も伺っております。

 次に、次期計画における耐震化の目標でございますが、今後、国の基本方針の改正内容が7月下旬頃に示される予定と伺っておりますことから、今後、耐震改修促進計画の令和3年度から令和7年度までを計画期間とする次期計画を策定しますとともに、住生活基本計画につきましては、平成28年度から令和7年度までの経過期間の中間年であることから、計画の大幅な見直しを行う予定としております。

 次期の耐震改修促進計画における耐震化率の目標としては、まず建築物については、平成27年度末からの5年間の耐震化の上昇率や現在の耐震改修工事や建て替え等の実施状況を踏まえ、第2次計画と同程度に耐震化は進捗すると想定しており、令和7年度末の多数の者が利用する建築物の耐震化率の目標を97%に設定したいと考えております。

 一方、国からは耐震診断義務づけの対象となる建築物である病院や旅館など、不特定多数の方が利用する一定規模以上の大規模建築物や耐震改修促進計画で指定している防災拠点建築物や避難路沿道建築物の耐震化率の目標が示されたことから、県の次期計画でもこの耐震診断義務づけの対象となる建築物の耐震化率の目標を新たに加えることとし、まず一定規模以上の大規模建築物や、市町等からの報告を受けて耐震改修計画で指定している避難所となる集会所など防災拠点建築物につきましては、令和7年度末までにその全ての施設で耐震化が図れる予定でありますことから、令和7年度末の耐震化率の目標を100%に設定したいと考えております。

 次に、避難路沿道建築物については、県下緊急輸送道路のうち、DID地区内の第1次輸送確保路線を避難路として指定し、この避難路に面する建築物のうち、倒壊により前面道路のおおむね中心線を越えて道路を閉塞するおそれがある建築物で、この対象となる124棟の多くが民間の建築物であり、昨年度末の耐震化率が24.2%と伸び悩んでおりますことから、まずは倒壊した場合に前面道路を全閉塞する規模のものから重点的に耐震補強を図ることを目指し、令和7年度末の耐震化率の目標を50%に設定したいと考えております。

 一方、住宅については、今後、市町と連携して地域における普及啓発の強化を図り、耐震化を加速化させることにより、令和7年度末の耐震化率の目標を91%に設定したいと考えており、今年度見直しを行う香川県住生活基本計画におきまして、この目標を達成するための今後の耐震補助の実施件数の数値目標や基本的施策を定めることとしております。

 今後のスケジュールですが、まず耐震改修促進計画については、現在、次期計画の素案を作成しているところであり、今後、関係機関等との調整やパブリックコメントを実施し、本年10月末を目途に策定したいと考えております。

 香川県住生活基本計画については、策定に当たり、本年4月に学識経験者や関係団体の代表者等で構成する香川県住生活基本計画検討委員会を設置し、先月14日に開催した第1回目の検討委員会での検討内容を踏まえ、現在、見直し計画の骨子案を作成しているところであり、今後は同委員会の審議を重ね、国や市町との調整も行うとともに、12月から1月頃にパブリックコメントを実施し、年度内に策定したいと考えております。

 県としては、南海トラフを震源とする大規模な地震の発生確率が、今後30年以内に70%から80%と高まっている中、大規模な地震による住宅・建築物の倒壊から県民の皆様の生命、財産を守るため、引き続き県内市町の御意見を十分にお聞きしながら、速やかに次期香川県耐震改修促進計画や香川県住生活基本計画を策定し、建築物の耐震化を総合的かつ計画的に進めてまいりたいと考えております。


 私が中学校2年生の時に阪神大震災があり、そのときに亡くなられた方の多くが住宅の崩壊や家具の転倒であったことが連日報道されていたと思います。そういった面で今回質問するに当たりいろいろお伺いしましたが、やはり、平時から常日頃、自分のことのように考えていただくよう、しっかりと普及啓発を進めていくことが、第一ではないかと思っていますし、県民の皆様方の安心・安全を確保するために、耐震化の向上を引き続きしていかなくてはいけないと思っています。引き続きこの耐震化率の目標値の早期達成に向けて住宅、建築物の耐震化の促進に取り組んでいただきたいと思います。

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