魅力ある大学づくりについて【令和2年11月定例会】総務委員会[政策部、出納局、監査委員事務局]

 私は、6月定例会、9月定例会、さらに、先日行われた決算行政評価特別委員会において、移住・定住の促進、関係人口の創出・拡大、地域おこし協力隊の活用、地域づくり・人づくりの推進など、コロナ禍においても、本県の最重要課題である人口減少、地域活力向上策の重要性や必要性について申し上げてきました。

 若者の県内定着にどう取り組むのかが大事だと思います。若者の活動が地域の活性化につながることを期待するところですが、香川県では、県内の高校生が卒業後、約8割が県外の大学に進学し、4年、6年と生活をしているうちに、戻ってこないというのが現状だと思います。そして、このことが人口の社会減につながっていると言われています。逆に、県内の高校生で県内大学に進学した者の約8割が県内就職につながっているというデータもあります。やはり人口減少対策の一つとして、県外の人を呼び込むことも必要ですが、県内大学への進学の促進と、そのための県内大学の魅力づくりは重要なテーマであると思います。

 私は、決算行政評価特別委員会の委員として、魅力ある大学づくりに関するこれまでの取組の評価についてお伺いしましたが、100の指標に挙げていた自県大学進学者の割合や県内大学卒業生の県内就職率が、いずれもD評価ということでした。

 そこで、これまで大学支援をいろいろとやってきたと承知していますが、これまでの大学等の魅力づくりの取組と内容、その課題をどのように考えているのか、お伺いします。

 県では、これまで、大学側の工夫や取組を支援するという手法で大学の魅力づくりに取り組んできましたが、残念ながら、御指摘のとおり、全て指標に掲げたものはD評価ということで、成果に結びついていないのが現状です。

 取組の具体的な内容としては、平成27年度から県と県内大学等で「大学コンソーシアム香川」を設立し、定期的な意見交換などを通じて、大学の将来構想の策定の支援や高校の現場の声も聞いた上での合同進学説明会の開催、県内全ての大学等の情報を1冊に集約したキャンパスガイドの作成・配付などに取り組んできたところです。また、同じ年から、この取組を進めるという観点から補助金制度を設けました。平成30年度からは、自県進学や県内就職等に成果を上げている県内大学等に多く配分する仕組みを講じながら、企業と連携して行う研究開発プロジェクトや、学生が自治体と連携して地域の魅力を発見してPR動画を作成する活動などの取組に対して、この補助制度を活用しています。

 取組に対する課題については、これまでのような取組だけでは十分な成果に結びつかないという結果から、大学を選ぶ若者や保護者側の目線、学生を受け入れる企業側のニーズに立った取組を促すという視点が大事だと思っており、これまでの事業の手法について、改めて検討する必要があると考えています。

 若者の県内定着という大きいテーマに対して、県と大学の取組だけで大学の魅力を高めていくことに限界を感じており、今回の感染症の拡大による社会の変化もありましたので、これを契機に、地方大学を取り巻く環境も変わってくるため、そういったところも留意しながら、手法の改善等を考えたいと思います。


 今、おっしゃった課題については、私も同感です。いろいろなアプローチの仕方があると思います。先日、高校生が新型コロナウイルス感染症について、いろいろな視点や研究をテーマに英語で発表するという内容の勉強会に行きました。この勉強会のもう一つの目玉は、ゲストのある有名大学の先生の講義で、「Society5.0における教育」という内容でした。驚いたのは、その先生のプレゼンがよかったのか、高校生はもちろん、聞きに来ていた小学生も、何を言っているのかまだ理解できないと思いますが、物すごく楽しそうに、一生懸命聞いていましたし、その子の親御さんも興味津々で聞いていました。その先生は、地球温暖化やSDGsなど、環境問題に関心がある学生が最近増えており、そういった学部を選んで、関連した会社に就職していると言っていました。

 私は、先生の話や子供たちの様子を見ながら、時代はここまで変わってきているのだと実感しました。小学生がビッグデータという単語に触れ、学び、時代をどれだけキャッチできるかということが必要とされる中、その子供たちが数年後、高校生になったときに、どのような大学選びをするのかと思いました。

 あわせて、今朝の読売新聞に、少子化時代を生き残るために、大学が合併するという記事と、同じ大学の仲間が、在学中に起業する動きが広がっており、それを大学がしっかり後押しをしているという記事が続けて載っていました。どういうふうにして大学が生き残り、自分たちの大学を選んでもらうかを、全国的に必死に考えている中で、県内にある大学をどうPRしていくかが大事になってくると思います。

 高校生や保護者がどういった学部や専門性や特色ある取組に期待しているのか、そのニーズが今の県内大学に合っているのか、そうしたところをしっかりとリサーチして取り組む必要があると思いますが、その辺り、どのように把握しているのか、お伺いします。

 ニーズの把握ということですが、例えば、香川大学が数年前に創造工学部を設置したときには、県が教育委員会を通じて、県内高校生にアンケート調査を実施し、大学がその結果や企業ニーズについて調査を行いました。そのときに、建築デザインや文化芸術、観光、防災・危機管理分野などで人材が必要であると判断し、創造工学部の開設につなげたと伺っています。先日、認可が下りたせとうち観光専門職短期大学についても、中四国の高校生のニーズ把握を行った上で、観光振興のエキスパートを育成するという一定のニーズ調査をした上で、構想の策定に当たってきたと思いますが、今後は、さらに地域のニーズを深く踏まえて、大学の強みや特色を生かしていかなければならないと認識しています。

 県としては、何度かアンケートなども採りましたが、社会が変わっていく中で、改めてニーズ調査をしていく必要があると考えています。



 今は、学生に焦点を絞りましたが、このたびのコロナ禍において、勤務先の業績の悪化や、事態が変わることにより不安を覚えている社会人が少なくないという記事を見ました。そうした中で、大学などを活用した社会人の学び直し、いわゆるリカレント教育が広がっており、テレワークで空いた時間を使ってスキルを身につけようと動き始めた人が多くなってきたということです。国においても、学び直しの環境整備の後押しをする動きが見られており、文部科学省では、働きながら大学等で柔軟に単位を取れる制度を進め、大学等で学ぶ社会人を2016年度の約50万人から2022年度までに100万人に倍増する計画を掲げています。こうした機会に大学側でも魅力づくりの一つとして、社会人のリカレント教育を充実させる環境の整備により、大学自体の魅力が高まり、社会人の受入れによる大学の活性化につながるのでないかと思います。

 様々な年代、様々な立場の人の話を聞き、一緒に学ぶことは、自分の過去を振り返ると、若いときにこのような経験ができることはいいことだと思います。将来的には、大学時代のみならず、社会人になってからも付き合える大学として、出身大学に対する愛着心も高まるでしょうし、出身大学への還元や地域貢献になって好循環が生まれる可能性も秘めていると思います。

 いずれにしても、大学の魅力の底上げはいろいろ考えられると思いますが、私が申し上げた点も踏まえ、今後、県内大学の魅力づくりに県としてどのように支援していくのか、お伺いします。


 県内の大学の魅力づくりをどのようにやっていくのかというところですが、先ほども申し上げましたが、大学の主体的な取組を促すというやり方は、限界があるという認識です。一方で、今回、改めて国においても、魅力ある大学づくりにどうやって取り組んでいくのかという議論がなされています。

 そういう中で、地域ニーズに応える観点ということで、大都市への過度の集中のリスクが再認識されましたので、地方大学において地域のニーズに応えるという観点から、地域の課題解決や地域ならではの人材を育成・定着させていくこと、それが地域経済や社会を支える基盤となることを、検討の中では申し述べられていますし、委員御指摘のいわゆるリカレント教育や地方大学の定員増の話まで、骨太の方針の中では示されているという状況です。

 地域の大学が魅力づくりを単独で行うことは難しいと、私も考えていますので、今後は、自治体のみならず産業界や関係機関を巻き込んだ取組が必要だと国の議論の中でも示されています。感染症の影響もある中で、県として、大学を取り巻く様々なニーズ、県内進学の観点から高校生や保護者のニーズ、あるいは県内就職の観点からリカレント教育も含めた企業のニーズ等を捉え直した上で、評論家ではなく、プレーヤーと議論をして、県内若者の県内定着に向けて取り組んでいきたいし、進学、就職のそれぞれのステージでどのような対策が取れるかという総合的な議論をやっていければ、対策はおのずと見えてくると考えています。これまで県内大学に助成措置と、補助金も交付してまいりましたが、それについても、より効果的なものになるように改善していきたいと考えています。


 最後に要望ですが、そういったニーズを把握し、少しでも早く取組を進めていただき、地域企業も踏まえて、熱が上がるような環境づくりも必要だと思います。今後とも、これまで以上にしっかりと取り組んでいただきたいと要望して、私の質問を終わります。

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