文化芸術活動の支援について[令和2年6月 定例会]

質問】

 先ほど冒頭報告において、指定管理者制度導入施設の管理運営状況の検証として、県民ホールの評価の報告があった。今回は第3期目の指定期間ということで、運営実績についてどのような評価がされたのかについて伺う。


 冒頭報告で少し触れたが、S評価としていることについて、特に評価した点は「利用者サービス向上への取組み」である。

 電子マネー決済の導入や会議室にWi-Fiの設置をするなど、利用者の利便性を高める取組みを行った。また、自主的な事業として、クラシック音楽、ミュージカル、演劇、映画、落語など、非常に幅広いジャンルの公演を行うことにより、県民の鑑賞機会の充実が図られたものと考えている。さらに、コンサート中の地震発生を想定した避難訓練コンサートを実施している。

 このように様々な状況やニーズに対応できるよう、利用者サービスの向上に努めた結果、年間利用者数が、指定管理制度導入前に年37万6,000人余であったのが今期第3期の平均が39万1,000人余と、約4%増加している。

 また、利用者からの意見をすべての職員で共有し、サービスを向上させるということをしており、指定管理者が実施した利用者のアンケートでは、「非常に満足」と「満足」あわせて92%という評価もあり、S評価とした。



【再質問】

 今、新型コロナウイルス感染症の話があったが、その影響で、県民が文化芸術に触れる機会は非常に減少した。

 舞台鑑賞の機会を提供する県民ホールや、展覧会などを開催する県立ミュージアム等においても、影響があったかと思う。

 そこで、入館者数や事業などにどのような影響があったのか、そしてまた、県立文化施設においては今後、新型コロナウイルスとの共存が前提となる状況の中で、感染防止対策はもとより、どのように対応していくのか、伺う。


 県立ミュージアム、瀬戸内海歴史民俗資料館、文化会館、東山魁夷せとうち美術館においては、県内での感染拡大により4月18日から5月8日まで臨時休館した。感染拡大が本格化した3月から5月までの入館者数を前年と比較すると、全体で88%減少した。

 県民ホールにおいては、大型連休期間における人の移動を制限し最小化するという観点から、4月25日から5月7日まで臨時休館した。

 その後も、県内外から多くの集客が見込まれる施設である県民ホールの大ホール・小ホールについては、引き続き、5月末まで休館した。

 3月以降、大小ホールだけでなく、貸会議室も含め、多くの予約がキャンセルとなった。3月から5月の利用者数は、前年と比較すると、97%減となった。

 また、6月1日の県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、イベントの種別に応じて移行期ごとの人数上限などを定めたことにより、6月19日以降でも1,000人又は収容人数の50%の制限がかかるなどしており、また業界ガイドラインを踏まえて、感染症対策を講じる必要があることから、全国規模のコンサートや演奏会などを開催していた県民ホールにとっては、今後も、大きな影響があるものと認識している。

 事業では、かがわジュニア・フィルハーモニック・オーケストラの練習を3月から中止し、その発表会や8月の定期演奏会も中止となった。

 また東山魁夷せとうち美術館で4月18日から開催予定であった特別展を中止したほか、県立ミュージアムや瀬戸内海歴史民俗資料館でもギャラリートークや講演会など、展覧会に関連したイベントがすべて中止になるなど、影響は大きいものとなった。

 そのような中、各施設の感染症対策としては、マスクの着用や手指の消毒の呼びかけ、エレベーターのボタン等共用部分の定期的な消毒、休憩スペースで間隔空ける、案内所へのアクリルパネル設置などの対策を講じたほか、ソーシャルディスタンスを保って観覧いただくための足元の表示やミュージアムショップ内の一方通行など、様々な対策を講じている。

 文化施設の感染症対策は来館者の方のご協力がないとできないことから、掲示や、スタッフが丁寧にご説明しながら、対策を進めているところである。

 6月1日に定めたイベント等の開催制限の段階的な緩和に伴い、今後来場者が増えることが見込まれる県民ホールについては、今回ご審議いただいている補正予算議案の「文化施設感染症予防事業」で来場者の体温を確認する赤外線カメラの導入を予定しているほか、県立ミュージアムなど他の文化施設においても、文化庁の補助金を活用して、感染症対策を講じたいと考えている。

 今後の方向性として、イベント等の開催制限や業界団体ガイドラインにより、今後、文化施設においてイベントを開催しようとする場合も、様々な工夫が求められることになるため、感染症を十分に考慮した施設の運営に努めていく。それに加え、新しい生活様式のもとの取組みとして、例えば県立ミュージアムにおいては、ホームページやSNSを活用して、展示解説や講座などの動画配信をしているほか、新型コロナウイルスの影響で利用中止になった展示室を活用して、県の収蔵作品展を企画するなどしている。

 感染症防止対策を適切に講じながら県民の暮らしを守るということで進めていくが、その中で、文化芸術活動を楽しむゆとりと潤いを取り戻していただけるよう、取組みを進めてまいりたい。



【再質問】

 減少とか、中止とかという言葉を聞くと、すごく残念だという気持ちになるが、仕方がないことでもあると思う。今、質問したのは県民ホールやミュージアムなど大きな箱でのことで、県内には、いわゆるライブハウスなどの小さい箱もたくさんある。少しずつではあるが店も再開し、ガイドラインに沿いながら、一生懸命何とか継続させていこうと、協力し合って頑張っている。そういう文化芸術団体や、フリーランスで文化芸術活動を行っている方が今、長期にわたって活動や講演が中止となり、非常に厳しい状況に置かれている。これから新しい生活様式のもと、活動の仕方も変わっていくのだろうと思う。先ほども動画配信という言葉があったが、本当は、生で聞いて、見ていただくのが当たり前の世界であり、それがすごく大事なことではあったが、このような状況の中で、動画を利用できないかと前向きに取り組んでいる方も増えた。

 このような状況の中、新しい生活様式のもと、文化芸術活動を行う方々に対して、県としてはどのように支援を行っていくのか伺う。


 様々な制約の中で、新型コロナウイルスを前提として文化芸術活動を頑張っておられる方々がいらっしゃることを十分に承知している。こうした方々が、新しい生活様式のもと、様々な活動や事業を継続していただけるように支援していくことが重要と考えており、補正予算議案として今回ご審議をお願いしている「前向きに頑張る事業者を応援する総合補助金」では、スポーツや文化芸術関連の事業者も対象としており、中止となったイベントに替わる新たなイベント等により県内を盛り上げる事業や、アーティストの新たな活躍の場を創出する事業などを支援できると考えている。

 また、文化芸術活動を行う団体・個人の支援としては、「新しい生活様式のもと頑張る文化芸術活動支援事業」により、県と公益財団法人置県百年記念香川県文化振興財団が共同で行う助成制度「文化芸術振興活動費助成金」を既存の4百万円から1千万円に増額し、県内の文化芸術団体等が行う活動を支援したいと考えている。

 特に、通常より優遇しているかがわ文化芸術祭連携枠、これは1/2以内助成・上限100万円だが、例年10月から12月としている芸術祭の開催期間を9月から年度末まで延長することとし、出来るだけ多くの団体等に参加して活動の成果を発表いただき、文化芸術の力で少しでも地域を明るくできればと考えている。

 このほか、県民ホール大ホール・小ホールを活用した開催制限の範囲内での有料イベントについて、ホール利用料金の原則1/3を補助することとしている。

 文化庁の第2次補正予算では、持続化給付金の申請をあきらめているフリーランス等向けの支援として、標準的な取組みを行う場合に20万円、動画収録・配信などの積極的な取組みを行う場合には150万円を助成するほか、小規模団体の活動の継続や新たな取組みに必要な経費等を支援する事業など、「文化芸術活動への緊急総合支援パッケージ」が示されている。詳細はこれから明らかになるとのことだが、今後、支援策として活用いただけるのではないかと考えている。

 県としては、県民の皆様に「新しい生活様式」が定着することや事業者の皆様に適切な感染防止対策を講じていただくことを前提として、これまでの制限を段階的に緩和しつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていきたいと考えており、先ほどご説明させていただいた県や国の支援策を周知し、活用いただくとともに、関係者からの個別相談にもきめ細やかに対応するなど、文化芸術活動の再開や事業継続に加え、積極的で新たな取組みなども支援してまいりたい。



【要望】

 様々に支援をしているということは理解できた。文化芸術活動をしている方や関わりのある方は、すごく大切にされるべき人たちだと思っている。文化芸術は私たちの心の寄り添うところであり、生活への潤いや地域の活性化に繋がっていくものである。それを与えてくれる人たちは、尊敬されるべき人たちだということを私も経験してきたので、こういう立場で伝えていけたらと思っている。

 文化芸術というのは、何か災害があった時には一番に切られてしまう。自粛をして欲しいというモードに入ってしまう。今回は、コロナウイルス感染拡大がライブハウスにおいて大きな引き金になってしまったという部分はあるが、再開のための業界のガイドラインも最後の方に公表された。支援についても、第2次補正で示されたが、その詳細内容はこれから発表されるとのことであり、一番最初に切られ、一番最後まで取り残されるというのが文化芸術の分野ではなかろうかと思う。国がなかなか支援できないところをしっかりと補うことが私たちの役割だと思っている。是非とも、しっかりと対応していただきたい。

 また、小さな箱物のようなところで、若い子たちが競い合い、そしてそれがまた、次世代を担う芸術家を育成することにもなるので、目を向けていただきたい。

  最後に、文化芸術活動の支援については、例えば、映像配信に関わる機器の整備も補助対象とするなど、新しい生活様式に沿った取組みを行う方の支援を検討していただけるとありがたいということをお願いしたい。

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